(注意)助成金・補助金に関しては毎年ルールが変化します。詳しくは必ず最新の情報を確認願います。
ここでは、主に調剤薬局でも利用できる可能性のある補助金・助成金についての情報を提供しています。
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(通称:ものづくり補助金)
調剤薬局における活用例としては、生産性や競争力の向上が期待できる最新機器の導入が考えられます。
どんな事業計画が採択されているか?
まず、過去の調剤薬局の設備投資に関連する採択を見てみると、平成29年度補正 ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金では以下のような事業計画が採択されています。
・「錠剤監査支援システム導入による調剤過誤防止及び薬剤師の労働時間削減」
・「分包時間の短縮と今日のお薬が一目でわかる新調剤システム」
・「調剤業務の自動化による在宅患者訪問服薬管理・指導業務の高度化」
・「薬剤師の顧客対応時間を創出し、主婦層の健診サポートを行うための調剤業務効率化」
・「自動機械の導入による漢方薬局の新サービス展開」
・「安心の配薬と服薬・介護職員の負担軽減も配慮した「識別画像入り一包化調剤」」
・「調剤薬局における対物業務の機械化と対人業務サービスの充実」
タイトルからもわかるように、薬局における「対物業務」をIT化・機械化を行い、付加価値性の高い「対人業務」によるサービス向上を図るような案件が採択されている傾向が見受けられます。
どのような設備投資が対象になるか?
次に具体的に採択対象になりそうな調剤薬局関連設備を列挙します。
- UC型最新自動分包機
- 散薬自動分包機
- 無菌調剤室
- PTPシート全自動薬剤払出機
- 全店舗型電子薬歴システム
- 監査支援システム(一包化監査・錠剤監査)
どれも高額で、事業の大幅な拡大が見込めない中小規模の薬局では、なかなか手の届きにくい設備かと思います。
しかしながら、ものづくり補助金は他の補助金と比べても補助金額が高いのが特徴で、採択されれば、補助金の上限は1000万円、補助率は1/2(条件を満たせば2/3)です。
例えば、400万円の最新型分包機を購入しても200万以上が補助金として戻ってきます。また、なかなか導入に踏み込めない無菌調剤室についても、補助金が採択されれば1000万円戻ってくる可能性があります。
また、この補助金に採択されることで、社外的にも「企業努力をしている会社」という印象を与えるメリットもあります。
一方で、採択される為には、最新機器の導入の目的を明確に示し、どのような生産性や収益性の向上が期待できるかを明確に示す必要があります。
採択されるためには、設備導入による生産性・競争力の向上を示した事業計画を作成する必要がある。
助成金とは異なり、補助金を獲得するためには事業計画の審査を受けて、複数の申請の中から採択されなければなりません。また当補助金の採択率は30%~50%で推移しており、決して高くありません。
そのため、申請するための事業計画には、機器の導入によってどのような生産性の向上が期待できるか、他社のとの差別化につながるか、そしてどれだけの効果(売上増)が期待できるかを、審査員にわかりやすく記載する必要があります。
ある意味、一般的な製造業に比べると生産性向上や競争力強化によるに効果ついて、審査員に伝えるのはとても難しい分野です。それでも、最近の薬局業界のトレンドを考慮すると、例えば以下のようなストーリーも考えられます。
薬局業務に精通した中小企業診断士によるサポートを行っています。
ものづくり補助金における審査においては、事業計画の内容はもちろんですが、業界専門外の審査員が審査を行うことを考慮して、わかりやすく計画実現性を示し、より訴求力の高い内容でまとめる必要があります。
また、「革新性」が期待できるものでなけれならず、既に過去の事業計画で登場している設備投資に関しては、年々採択が難しくなってくることも予想されます。
また、仮に採択された後も、正式な申請書類(経費の事前承認)の提出、審査、実績報告書、さらに5年間は事業計画の現状報告等、様々な書類を提出する必要があります。
ノウハウがあれば決して難しい作業ではありませんが、採択後の手続きが大変で、結局は辞退してしまう企業も少なくないそうです。
そのような不安がある企業向けに、補助金の特徴や、調剤薬局業界にも精通した中小企業診断士が、補助金申請のサポートを行っております。
但し、あくまで補助金は頑張る企業の応援の為に使用されている「税金」です。その為、いわゆる「丸投げ」のような依頼・相談は受けておりませんのでご了承ください。