医療用医薬品への新バーコード(GS-1データバー)の記載は、2021年4月までに、原則全ての医療用医薬品に実施されることになっています。その為、まともに流通・販売されている製品については、既に記載されています。
この医療用医薬品へのGS-1表示目的には、「流通の効率化」や「製品認識の機械化」「トレーサビリティの強化」などがありますが、国際規格ですので、表記ルールは明確に決められています。
↓薬剤シート上(調剤包装単位)ではデータバー限定型(企業コード+商品コード,Lotなし)を記載しているケースが多い。
しかしながら、シート上の表示位置のルールが(私の知る範囲)無く、製薬会社や錠剤のサイズ等の違いで様々な場所に記載されています。
実はこれにより、現場で少しだけ困ることがあります。
例えば一包化調剤の後に、薬剤取出し後のヒートシールのGS-1データバーを再使用したい場合、データバーの記載位置によっては、データバの一部が切れてしまって読み取れなくなってしまう製品があります。
↓このように一部でもデータバーが一部切れてしまうと読み取りが出来なくなる。
一方で、PTPシートが破れた状態でもGS-1データバー部分は破損なく読み取れるタイプもあり、分包機カセットへの認証や、調剤監査時の再チェックに再利用することができます。
↓このようにシート上部や端にGS-1コードが表示されていると、薬剤取り出し後も読み取りが可能
このように、現場としては常に読み取れる方がメリットがありますし、他にこれから中小薬局にも導入が進むと考えられる薬剤払い出しマシーンのことも考えると、なにかしら表示場所を統一した方が良いのではと思っています。
ただし、このような現場の声が、あまり製薬企業に届いていないという気がしています。
通常、製造業の現場では、顧客ニーズに合わせてユーザビリティ(利便性)の改良を行うことはよくありますが、この業界では、不便や非効率も受け入れてしまい、あまりユーザーとしての意見を上げることが少ない気がします。その為、業界団体を通じて要望する方が現実的かもしれませんね。