0402通知 調剤技術研修ぐらいは自施設でやるべき?

薬局業務改善・効率化

調剤補助研修用のスライドを公開しました。

薬剤師以外でも行える調剤的業務の範囲を示した、いわゆる「0402通知(調剤業務のあり方)」では、業務において保健衛生上支障が生じる恐れがないよう、必要な研修を「継続的」に実施することが記載されています。

しかしながら、すでに通知がでてから1年近くが経過するものの、大手チェーン以外では研修をやっているような話を殆ど聞いたことがありません。(私がやっている所を知らないだけかもしれませんが)

それでも、ごく一部の地域薬剤師会や業界団体で、日曜日等に1日研修を行っているところもチラホラあるようです。また、マンパワーや資金力があるような大きな団体では、e-learning研修を提供しているところもあります。

勿論、このように企画された研修やe-learningを利用することは、何もやらずにいるよりは、もちろん利用した方がベターだと思います。一方で、研修内容については「登録販売者継続研修」のように、特別細かな規定は定められておらず(2020.2現在)、正直これぐらいは「各薬局で頑張ってやってみても良いのでは?」を思ってしまいます。

また、受講する立場(薬局事務)から見ても、休みを1日つぶされて受講する研修や、どうしても「やらされている」感がある受け身なe-learning形式は、どんなにコンテンツが良くできていても正直満足度が限られてしまいます。

さらに、公な組織が実施する場合は、内容的にはどうしても「かしこまった」「一般的な」内容にならざる負えません。(例えば、「調剤するうえでの心構え」「法的な位置づけ」など)

それよりも、「調剤業務を適正に行う」為という目的を鑑みれば、現場を良く知る現場薬剤師が、アイドルタイム等を利用して直接研修を実施することが、なによりも効果的だと思います。

例えば、間違いがおきやすい製剤は、メインで応需する診療科により個々の薬局で異なっているはずです。長年勤務している薬剤師がいれば、過去の経験から当然間違いやすい製剤を把握している筈です。その経験知識を研修資料を通して、伝えてあげるべきでしょう。

また、ゴム止め方法やシートの揃え方、保管方法等も、各薬局でやり方が様々だと思います。何も教えずに業務中に訂正するような指導よりも、研修を通して最初にしっかりと方法や理由を指導してあげる方が、モチベーション面でも効果的なはずです。


また、研修は「継続的」に行う必要がありますが、日頃のヒヤリハット情報の蓄積や、最近では合剤の発売やジェネリック品の採用、一般名との調剤製剤との紐づけなど、半年に一度位のペースなら、いくらでもネタは見つけられる筈です。

そして、自分たちで研修を企画・実施することで、指導・研修を受ける側だけでなく、指導する側も、自身のスキルや知識を整理したり、プレゼン能力や管理能力を高める良い機会になるはずです。

一方、ワードやパワーポイントを使用したプレゼン資料の作成に自信がないという方も、この業界には意外と多いです。しかしながら、これからは、この程度ITスキルは常識だと思った方が良いでしょう。

そして、このような取り組みに対して、社内の考課者や経営者も正当に評価することも重要になります。

このように自分たちで工夫して、調剤業務のサポートを効果的に行うことで、ひいては「対人業務」への比重を高められることにつなげられると思います。

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