2018年の年末は実家に帰省していましたが、さすがに大晦日はお休みのお店が多く、チェーンの居酒屋で旧友と食事をすることになりました。
普段の連休や夏休みとはちがい、この時期の日本人観光客はさすがに多くありませんが、外国人観光客には関係ないようです。宿泊している外国人の方々も同様に店の選択肢が少ない様で、客のおよそ半分はアジア系観光客で占められていました。
かろうじて席はありましたが、予約なしでの来店だったので、案内まで10分程の待ち時間。
店は基本的にリーズナブルな価格設定ですが、いわゆる「お通し代(突出し)」とは別に席料もチャージされる形態のようです。
その為か、若い女性店員がアジア人客(台湾人)に対して、「お通し代」「テーブルチャージ」を事前に一生懸命伝えようとしていました。しかしながら女性の英語力も覚束ないせいか、うまく伝わらず、結局あとは事前に準備されている英語の説明文書を読んでといった感じでした。(勿論、日本人グループには事前説明は特にありませんが)
外国人観光客との「お通し代」トラブルは、以前より耳にしますが、文化的には、もともと料理ができるまでの酒の肴としての心遣いではじまったおもてなしの一つと考えられています(お通しで個性を出している店も当然あります)。
しかしながら、特にチェーン店では売上確保の手段としての意味合いが強くなっているのは否定できません。
さらに、「お通し代」と「席料」別々に課金されるこの店では、過去にいろいろトラブルも経験し、事前にできるだけ理解を促しているのかしれません。
そもそも、この居酒屋は外国人をメインターゲットにしたものではなく、日本人に比べて対応にはどうしても時間がかかるでしょう。しかも、居酒屋に代表される外食産業は人手不足が常態化しており、地方では英語に堪能なスタッフの確保も簡単ではない筈です。
さらに、現在はタブレット型のオーダリングシステムが普及しており、なかなかシステムの変更や店舗別対応が難しでしょうが、不用意な労務コストや従業員負担を考えると、お通し代と席料のダブル徴収は、(従業員の為に)もっとシンプルにできないものかとも思ってしまいました。
なお、北海道はある意味インバウンド先進エリアになりますが、今後訪日リピーター客の増加により、インバウンド需要が思いもよらない地域に広がる可能性があります。
例えば、新潟県では、「千の千尋の神隠し」の影響で佐渡の「たらい舟」が台湾人に人気だったり、「大地の芸術祭」効果で妻有地区に思いのほか外国人が訪れたりしています。
その為、今は他人事と思っていても、地方でも思いもよらず外国人観光客が来店する可能性があります。
飲食店をやっている方は外国人客に対するお通し代(突き出し)や席料の説明方法については、事前にある程度勉強しておくと良いかもしれません。
また、日本人とは異なり、宗教や菜食主義などの思想の違いにより、頼んでいない食材を敬遠する性質があることもありますので、うまく対応したいところです。
(追記)
いわゆる「お通し代」は「a small appetizer (for first drink)」、「席料」については「cover charge」や「table charge」と訳されることが多いそうです。
事前に日本での食事について調べいる外国人には「Otoshi」でも通じるかもしれませんが、お通しと席料を両方とっている場合は、ある程度の英語力が無いと説明が難しそうですね。
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