【薬局関連・令和2年度採択発表分】ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

補助金・助成金

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金は、「中小企業・小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)等に対応するため、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援するもの」です。

実は、身近な業界である歯科医院では、歯科用CADやCTの導入で結構利用されているのですが、(医療業界の中では)それほど大きな設備投資の機会が少ない薬局業界では、あまり知られていません。

それでも、先進的な薬局・企業ではしっかり活用されており、採択結果を見ると毎回いくつか採択されていることがわります。

そこで、公開されている採択結果より、薬局に関連する採択分を抽出してみました。なお、「薬」「調剤」のキーワードから検索していますが、漏れがあるかもしれませんのでご了承下さい。

第1次(採択発表:令和2年4月28日 応募者数:2,287  採択者数:1,429)
  • 小さなお子様、地域に優しい調剤薬局を目指す!小児科調剤業務の効率化(東京・薬局)
  • かかりつけ薬局による地域密着健康サポートとホスピタリティの提供(東京・薬局)
  • 一包化調剤業務の高度化を図り、患者本位の革新的サービスを強化する!(岐阜)
  • 調剤工程の合理化によって付加価値の高い在宅業務を拡充する(秋田)
第2次(採択発表:令和2年6月30日 応募者数:5,721  採択者数:3,267)
  • 超高齢化社会をサポートする介護向けメニュー開発および職場環境改善事業(千葉・薬局)
  • 誰でもミスなく最短でできる調剤薬局向けピッキング支援システム(東京・メーカー?)
  • 地域特性を生かした高齢者在宅医療サービスの拡充(東京・薬局)
  • 薬局最大の業務をなくす!処方箋自動入力サービス(東京・ソフト開発?)
  • 国内最大級SNSのLINEによる調剤薬局の非対面型相談システム開発(東京・ソフト開発?)
  • PHR連携機能搭載の医療機関・薬局向け非対面型診療・服薬指導システム開発(東京・開発?)
  • オンライン調剤・服薬指導の要請に応える、電子お薬手帳の更なる進化(東京・ソフト開発?)
第3次(採択発表:令和2年9月25日 応募者数:6,923  採択者数:2,637)
  • 地域密着型薬局(介護・在宅)への本格参入(長野・薬局)
  • 業界初!生体認証により医療事故を防ぐ遠隔操作機能搭載の『次世代誤配薬カート』開発(愛知・開発?)
  • 患者さまが安心して服薬できる一包化薬の提供事業(福岡・薬局)
第4次・一般型(採択発表:令和3年2月18日 応募者数:10,041  採択者数:3,132)
  • 生薬自動分包機の導入による生産性向上と高度専門的漢方の提供・普及(栃木・薬局)
  • 患者も薬剤師も安心!“新型”お薬お届けテレワーク薬局の運営(東京・薬局)
  • 調剤業務の自動化と指導業務の高度化による近未来薬局サービス展開(熊本・薬局、特別枠)
  • ITを利用した非接触型調剤フロー構築による顧客満足度の向上(滋賀・薬局?、特別枠)
第5次・一般型(採択発表:令和3年3月31日 応募者数:5,139  採択者数:2,291)
  • 在宅医療や薬局業務に向けた調剤の迅速化およびシステム化した監査体制の構築(栃木・薬局・特別枠)
  • オンライン漢方相談にAIを搭載して最適な「食薬」提案をサポート(東京・ソフト?)
  • 新設備導入で高齢者施設での安全安心な服薬を実現する革新的サービス開発(東京・薬局)
  • 薬剤師の医薬品情報業務をオンラインを活用して飛躍的に効率化するシステムの開発(東京・開発、特別枠)
  • 調剤工程の合理化で在宅専門薬局としての圧倒的な地位を確立する(神奈川・薬局)
  • 漢方薬局の業務大幅改善・漢方EC販売事業による業績のV字回復(神奈川・薬局)
  • 対物業務の機械化による効率化を図り、患者本位の対人業務と地方包括ケアの充実化(鹿児島、特別枠)
  • 最先端機器導入による調剤工程の自動化で医療安全確保・生産性向上(東京、特別枠)

なお、同じ医療関連の分野である歯科と採択数を比較してみます。
例えば、第5次において「歯科」で検索すると「213」ヒットしますが、薬局だと「29件」、調剤で「3件」であり、歯科用CADやCTの投資でブームとなっている「歯科」分野に比べると、かなり少ないことがわかります。

また、特に「薬局」における採択においては、「分包機」への投資が多い印象です。
高性能の分包機を導入して、対物業務の効率化を図り、対人業務を充実化して付加価値を高めたサービスを実現できる、といったストーリー展開で申請していることが予想されます。

折角、国が与えてくれている制度ですので、設備投資を考えている薬局は是非、検討してみてはいかがでしょうか?

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